No.30 ビジネスにおける感情の重要性(自治体職員の滞納回収業務)

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2025.10.01

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No.30 ビジネスにおける感情の重要性(自治体職員の滞納回収業務)

はじめに

前回のコラムでは、セールス職種における感情の重要性を取り上げました。

今回は、市役所・区役所など自治体で、税金や保険料、水道料などの滞納回収に従事する職員に焦点を当てます。

滞納回収は「法に基づく徴収」という公的性格を持つ一方で、住民の生活に深く関わる感情労働でもあり、担当職員には大きな精神的負担がかかっています。

滞納回収における感情について

1. 自治体における滞納回収の特性

民間の集金業務と異なり、自治体職員が担う回収業務は「公共サービスの財源確保」という使命を伴います。

そのため、住民から見れば「仕方なく払う対象」である一方、職員からすれば「公平性を守るために必ず回収しなければならない業務」です。

しかし、滞納する住民の多くは経済的困難や家庭事情を抱えており、単純な「支払意思の欠如」では説明できません。

ここに感情的な摩擦が生じます。

 

2. 住民の感情と職員の対応

滞納者が抱く典型的な感情には以下のものがあります

 

不安:「払えないがどうしよう」

羞恥心:「役所に迷惑をかけてしまっている」

怒り・反発:「なぜ自分だけ厳しく言われるのか」

このとき職員が単に「納期限」「延滞金」「差押え手続き」といったロジックだけを提示すると、住民の防御的な感情を強め、対話が閉ざされてしまうことが多いのです。

一方で、

「大変なご事情ですね」

「一緒に分割の方法を考えましょう」

といった共感的な言葉を添えることで、住民は安心し、協力的になることが少なくありません。

 

3. 職員自身の感情のマネジメント

自治体職員も人間です。

毎日のように不満や怒りをぶつけられると、ストレスや無力感を抱きやすくなります。

感情的に対応してしまえば、住民との信頼関係は崩れ、業務はさらに難航します。

だからこそ、

 自分の感情を客観的にモニタリングする

 チームで悩みを共有し、心理的負担を軽減する

 感情解析ツールを活用し、対話を客観的に振り返る

といった工夫が重要です。

 

4. ロジックと感情の両輪

滞納回収はまさに「ロジック」と「感情」の両輪で進める業務です。

 

ロジック

法令、条例、徴収手続き、分納計画。

感情

住民の不安を和らげ、納付行動へとつなげる共感的対応。

 

どちらか一方だけでは効果は限定的です。

ロジックは「正当性」を保証し、感情は「納得感」を生みます。

 

5. 当社の役割

当社が提供する音声感情解析テクノロジーは、このような自治体の現場でも役立ちます。

 住民対応の会話から不安や反発の度合いを可視化し、対話手法の改善に活用。

 職員自身の感情の揺れを客観的に振り返り、メンタルケアや研修に利用。

これにより、住民に寄り添った回収業務と、職員の心理的負担軽減の両立を支援します。

 

おわりに

滞納回収という業務は、冷徹な徴収ではなく「人の感情を理解し、適切に寄り添いながら公平を保つ」ことに本質があります。

住民の感情と職員自身の感情、その双方を大切にする姿勢こそが、円滑な業務遂行と健全な自治体運営の鍵となります。

筆者は市役所業務の情報化に10年近くかかわってきたのですが、回収業務を担当する職員の苦労を横から見ていてその精神的負担は大変なものがあり、まさに感情労働そのものでした。

情報システムで滞納額や滞納時期、滞納状態を管理はしているのですが、そのシステムのユーザーである職員にとってはロジックの世界だけでは勤まらない業務で、感情をうまくコントロールする必要があります。

しかし、感情コントロールは全く属人的で、職員本人に任されており、今後ここにDX化のメスを入れるべきであると強く思っておりました。

当社の提供するソリューションがこの一助になれば幸いです。

 

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