はじめに
イスラエルのEmotionLogic Co. Ltd.は当社の提携先であり、当社は日本国内における技術検証と販売推進を委託されています。
前回のコラムで同社のブログを紹介しましたが、今回も引き続き同社のブログを紹介します。
同社のCEOであるAmir Liberman氏が本年4月に同社のブログに「Reflections of Emotion(感情の反映)」と言う表題で寄稿しています。
これは同社の音声感情解析テクノロジーの開発意図を解説した興味深い記述です。
このコラムではEL社のこのブログを紹介したいと思います。
EmotionLogic社のこのブログは以下のURLに記載されていますので、ご興味のあるかたは是非一読をお勧めします。
(但し英語です。)
https://emotionlogic.ai/where-logic-listens-and-feelings-speak/
内容を翻訳すると、以下になります。
アミール・リーバーマン(LVA開発者)より
人生には、すべてが普通に見える瞬間がある――けれども、その下で何かが静かに揺れ動いている。
会話の中に。
沈黙の中に。
何でもないはずの言葉の中に。
そうした瞬間は、チャートにも現れないし、言葉として表現されるわけでもない。
でも、私たちはそれを「感じる」。
感情の反映
Emotion Logic社のシステムは、言葉ではなく、感じ取られ、隠されたものから始まる。
私たちは、そうした隠された真実を聞き取る技術を、何十年もかけて磨いてきた。
当初の目的は、セキュリティ用途のための「嘘の検出」だった。
しかし、すぐに気づいたのは、本当の力は「嘘を見抜くこと」ではなく、人々が自分自身の内面の感情の論理や葛藤と向き合えるようにすることだった。
私たちは「Layered Voice Analysis(多層音声解析)」テクノロジーを使って、人々の声を分析するだけでなく、人々自身が自分を理解できるようにした。
初期のいくつかの出来事は、今でも私にとって信じがたい。
最初に記憶に残っているのは、あるジャーナリストが取材のために私を訪れ、メディア用にこのシステムを試したときのことだった。
彼女にいろいろなことを尋ね、彼女は自信をもって答えていた。
しかし「子どもについてはどうですか?」と尋ねると、彼女は「子どもなんて欲しくなかった」と答えた。
だが、システムはまったく異なる予期せぬ反応を示した。
私は彼女に画面を見せた。
そこには明確に「虚偽の発言」と表示されていた。
彼女はテストを止めたいと言い、「閉じてください」と静かに言った。
「実は、子どもがずっと欲しかった。でも、それを声に出して言ったことはなかった。今まで一度も」
1年後、彼女から連絡があった。
娘さんが生まれたという。
あの初期の頃、私たちは、予想を超える結果をいくつも目のあたりにした。
それは自分たち自身の論理さえも超えていた。
ギャンブル依存者、薬物依存者、トラウマを抱えた人々が、自分自身の声を「鏡」として使った。
罪悪感や苦しみを暴くためではなく、葛藤や願望、あるいは自由を認識するために。
あるセラピストは、何年も自責感を抱えていた患者にこのシステムを使った後、「10年分のカウンセリングが10分で進んだ」と話してくれた。
そのとき私は悟った。
これは単に「機械が人を理解する」技術ではない。
人が自分自身を理解するためのものだと。
Emotion Logic社 の提供しているシステムは、言葉やアクセント、声のトーンから感情を読み取るわけではない。
無意識の生体的変化――感情脳が活性化するときに起こる微細な声の変化――を検出するのだ。
ストレス、興奮、期待、自信、抑圧、疑念。
こうした反応は、話の内容に関係なく検出されるが、各単語にマッピングされることで文脈が理解される。
これは純粋に生理的な現象であり、だからこそ普遍的なのだ。
まるで心理学の「感情の次元」に顕微鏡を向けるようなものだ。
私たちのシステムは、重大な捜査、メンタルヘルスの介入、コンプライアンスの確認、顧客体験の調査など、さまざまな場面で使われてきた。
だが、どんな状況でも原則は同じ。
「真実は言葉の下にある」。
そして、重大な場面では、「感情の声」の方が「言葉」よりも雄弁なのだ。
何年経っても、今でも私を驚かせるのは、人々が自分自身について思いがけないことを発見する場面である。
心の奥にしまっていた葛藤、当たり前と思っていた恐れ、もう消えたと思っていた希望――。
初期には「嘘発見器」と呼ばれていたが、今の私は、これはもっと深い意味を持つと考えている。
それは「感情のコンパス」だ。
人を驚かせるだけでなく、進むべき方向を修正してくれるものなのだ。
Emotion Logic社 において私たちは、「論理と感情は対立するものではなく、互いを映し合う関係である」と信じている。
人間にとって本当に重要なことを理解するには、この両者が不可欠なのだ。
もしあなたが、雑音の奥、物語の背後、声のさらに向こう側に耳を傾けることができたなら――最も論理的な存在、そして現実を形作るものが、「自分自身の感情」であることに気づくだろう。
おわりに
以上がLiberman氏のブログの内容です。
当社はLiberman氏とはほぼ毎日のように密接な連携を取って活動しており、同氏が創業したEmotion Logic社の考え方を最も良く理解して日本でのお客様に音声感情解析サービスを提供しています。
ご興味のある方は是非当社までお問い合わせください。