はじめに
2025年の最初のコラムでは、昨年数回にわたり、音声感情解析のソリューションの個別事例を紹介してきましたので、少し視野を広げて、感情を可視化することのビジネス上のメリットと課題を俯瞰的に述べたいと思います。
音声感情解析テクノロジーの適応場面
音声感情解析テクノロジーの応用は多岐にわたり、以下のような多くの適応場面があります。
コールセンター
- 顧客対応シナリオの作成支援
- アウトバンドコールの販売活動支援
- 対応優先度の決定(311サービス)
- 顧客の解約抑止サポート支援
- オペレーターのストレス検出
人事部門
- 採用活動支援(応募者の性格診断)
- 配属活動支援
- 従業員間の相性の把握
営業部門
- 顧客理解度認識支援
- 顧客購買意欲の推定
- プレゼン支援
会計事務所/コンサルタントファーム
- 記者会見や決算報告での信用度の評価
- 信用調査での経営者評価
警察/空港
- 捜査活動
- 取り調べの捜査支援
- 入出国管理
保険会社
- 保険金詐欺のチェック
- 虚偽申告箇所の特定
警備会社
- 従業員の不正行為の検出 (例:盗難、詐欺、情報の不正使用)
- 従業員の信頼度と誠実性の評価
医療機関や企業の健康管理部門
- ストレスチェック
- 躁鬱の早期発見
教育現場
- 理解度の把握
- 学習意欲の把握
リモートミーティング
- 参加者理解の把握
- 参加者の気分把握
ロボット組み込み
- 受付対応ロボット
- 癒しロボット
- 独居老人健康管理
エンタメ
- カラオケ採点 ・愛情度チェック
等々、世界中で多種多様な使われ方をしています。
これにより、カスタマーサービスの向上、営業活動の効率化、従業員のエンゲージメント向上、不正の検出と防止、ビジネスコストの削減、ブランドイメージの向上等、ビジネス上の様々なメリットが得られます。
しかし、一方で課題もあります。
例えば次のようなものです。
音声感情解析テクノロジーの課題
プライバシーと倫理の問題
顧客や従業員の感情を把握することは、個人のプライバシーに関わる問題を引き起こす可能性があります。
無断で感情をモニタリングすることが法的な問題を引き起こすリスクがあります。
感情認識の精度と誤解
音声から感情を正確に読み取るためには、音声を収集する状況が重要になります。
雑音やノイズが入った音声で正確な感情を検出できないことがあるため、誤ったアクションや判断を引き起こすことがあります。
過度な依存の危険
感情可視化に依存しすぎると、データ分析に基づく判断が優先され、人間の直感や経験が軽視される可能性があります。
また、機械による感情解析に過度に依存すると、感情のニュアンスを見逃す恐れがあります。
おわりに
当社は音声感情解析ソリューション「ALICe」により、音声感情解析のメリットをお客様に提供するとともに、これらの課題によるビジネスリスクを最小化することが当社の使命であると考えています。
ビジネスリスク最小化を行う手段は、音声感情解析ソフトのパラメーターの適切な設定、感情出力データの適切な選択と解釈、過去の事例から得られた知識ベースとの照合などで実現していますので、本ソリューションに興味をお持ちの方は当社までお問い合わせください。