COLUMN

No29. ビジネスにおける感情の重要性(セールス活動)

ソリューション

はじめに

このコラムでは、当社が提供している音声感情解析テクノロジーに関して、その開発元であるEmotion Logic社のブログやホワイトペーパ-や、各種の最新適応事例、最新のAI動向、をもとに各種の情報を提供してきました。

しかし、そもそもなぜ「感情」がビジネスにとって大切であるのかについては明示的には述べていませんでした。

これから数回にわたって、ビジネス世界における「感情」の重要性について述べたいと思います。

今回はセールス活動について感情の大切さを示します。

セールス活動と感情

ビジネスの世界、特にセールス活動においては、案件をまとめるには理屈だけではうまくいかず、気持ちが大切です。

筆者もシステム商品のセールスを担当していたころ「人の心を動かせなければ、モノは売れない。」と良く先輩に言われ、また実際の商談でもその通りであることを何度も経験しました。

すなわち、セールスにおいては感情がロジック(理屈)よりも重要です。

今回のコラムではこの理由を少し深堀してみようと思います。

セールス活動において感情がロジックよりも重要とされるのは、人間の意思決定のプロセスに理由があります。

簡単に言うと人は理屈で納得し、感情で決断するからです。

1. 脳のしくみと意思決定


神経科学や行動心理学の研究によると、購買の意思決定は大脳辺縁系(感情を司る部分)が強く関与します。

ロジック(理屈)は前頭前野で処理されますが、「欲しい」「安心する」「信頼できる」という感情が伴わないと行動に結びつきにくいのです。

実際、感情を処理できない脳障害を持つ人は、選択や購入がほとんどできなくなることが分かっています。

2. 感情が決断を動かす具体例

自動車の購入


スペックや燃費(ロジック)を比較しても、最終的には「かっこいい」「乗っていて誇らしい」「家族が喜ぶ」といった感情が購入を後押しします。

 

 

保険の契約


「将来への不安」や「家族を守りたい」という感情がなければ、複雑な保険商品にお金を払う人はほとんどいません。

 

 

3. ロジックは “安心材料” 、感情は “トリガー”

ロジックは買う理由を正当化するために必要です。

「燃費がいいから」「耐震構造だから」などの説明は安心感を与えます。しかし実際に「契約します」と口に出させるのは、信頼・共感・ワクワクといった感情です。

4. セールス現場でのポイント

まず感情にアプローチ(信頼関係・ストーリー・共感)し、次にロジックで裏付け(データ・仕様・実績)を示します。

この順番を逆にすると、感情が動かず「また検討します」で終わる可能性が高いです。

もちろん、感情とロジックはセールス活動における車の両輪です。

どちらも大切です。

お客様の特性によっても感情とロジックの比重の置き方が異なりますし、業種や業態によっても異なります。

しかし、ロジックだけで購買意思決定を最終判断することは無いと断言できます。

商談のプロセスを分析する際にはお客様の感情の推移を注意深く観察することが商談獲得の必須条件です。

当社の役割

当社は声から話者の心の内なる感情を推定する音声感情解析テクノロジーを提供しています。

Web商談中に話者の内なる感情を表示させたり、商談後に録音データを解析して商談レポートを提供するなどのサービスがございますので、ご興味のある方は当社までお問合せ下さい。