はじめに
イスラエルのEmotionLogic Co. Ltd.は当社の提携先であり、当社は日本国内における技術検証と販売推進を委託されています。
同社のCEOであるAmir Liberman氏が最近ブログに「About Sentiment Analysis, Genuine Emotion Detection, and the Great Valley Between Them」と言う表題で寄稿しています。
これは同社の感情解析に対する考え方を述べている重要な記事です。
当社もこの記事の精神に則り事業を推進していますが、本コラムではこの記事の内容を紹介するとともに、改めて当社の感情解析に対するスタンスをのべさせて頂きます。
感情分析と本物の感情検出の違い
EmotionLogic社のこのブログは以下のURLに記載されていますので、ご興味のあるかたは是非一読をお勧めします。(但し英語です。)
https://emotionlogic.ai/sentiment-analysis-vs-genuine-emotion-detection/
内容をごく簡単に要約すると、以下の通りになります。
ブログの内容
最近、企業はAIによる感情分析(Sentiment Analysis)を活用して顧客の感情を把握しようとしているが、これは「言葉」から感情の傾向(ポジティブ・ネガティブ・ニュートラル)を読み取るだけで、本当の感情は捉えきれていない。
言葉の裏にある本音や心理状態は、別のアプローチが必要で、言語や文脈に依存せず、「人がどう感じているか」を明らかにする必要がある。
これが本物の感情検出(Genuine Emotion Detection)で、声の中の微細な生体信号(バイオマーカー)を分析することで、言葉に表れない感情を検出する技術である。
「言葉」と「本当の感情」の両方を理解することで、AIによる人間理解は初めて本物になる。
今後の企業戦略やAI活用において、「本物の感情検出」は不可欠な技術であり、単なる感情分析(Sentiment Analysis)にとどまる時代は終わりを迎えつつある。
上述の記事では、英語のsentimentと言う単語とemotionと言う単語を使っていて、日本語ではどちらも「感情」と翻訳されています。
感情分析という日本語にはsentiment analysisとemotion analysisの2つを含み、混同して使われることが多いようです。
しかし、この2つは異なる概念で、文脈により明確に分けて扱う必要があります。
両者の違いを要約すると次のようになります。
Sentiment Analysis
「人が“良い”と思っているか“悪い”と思っているか」を分別すること。感情そのものよりも物事にたいする評価の傾向を知ることに重点が置かれる。人が何を言ったかあるいは言わなかったかを分析する。
Emotion analysis
「人がどんな気持ちを抱いているのか」を知ること。人が何を感じているかを多面的に把握することに重点が置かれる。人が何を感じたかを分析する。
Emotion Logic社のブログでは次のように言っています。
ブログの内容
Sentiment Analysisは、人々が何を言っているかを教え、Emotion analysisは、彼らが何を感じているかを教えてくれる。
両者の間にある大きな谷間にこそ、真のビジネス価値があり、言葉だけでは明らかにできない真実を解き明かすことができる。
組織がより深い理解とより高い効率を求める中、このギャップを埋めることはもはやオプションではなく、不可欠である。
感情分析(解析)に関する記事や製品紹介はネット上にはたくさんあるのですが、この2つの違いを明確に意識している記事や紹介は少ないようです。
EmotionLogic 社のソリューションはこの2つのギャップを埋める唯一のソリューションであり、ゲームチェンジャーであると当社は考えています。